Case1:6617 株式会社東光高岳

1、会社概要
業種:電気機器(静止電気機械:変圧器、コンデンサ)
主たる取引先は、電力会社や電気自動車関係
時価総額:5/2時点 約343憶円

2、不適切事案(2024年1月22日公表)
「当社製特別高圧変圧器類の不適切事案に関するお知らせ」より

小山事業所(栃木県小山市)で製造する特別高圧変圧器類の形式試験 および受入試験 において、お客さまからの要求仕様にある規格 に準拠した交流耐電圧試験(短時間・長時間)および雷インパルス耐電圧試験を当該要求仕様と異なる要領で実施し、試験成績書へ不適切な記載を行っていたこと


対象製品:
変電所用変圧器、分路リアクトル、直列リアクトル、中性点リアクトル、接地変圧器、中性点接地抵抗器、移動用変圧器、電力用コンデンサ

対象期間:
1980 年頃~2023 年※1

対象台数:
この間の出荷台数6,819 台のうち、5,835 台で不適切事案を確認※1

※1 不適切事案の開始時期については、現時点で把握した残存データより1980 年頃と推定対象台数は1980 年を起点にカウント

3、不適切事案公表前後の株価及び取引高

4、不適切事案公表以後のプレスリリース

2024年1月29日 業績予想修正を公表

2024年4月25日 次期中期経営計画の策定・公表延期に関するお知らせを公表

(参考、1月29日 業績予想の修正内容)

5、コメント

株価の推移をみると、不適切事案公表時点では株価が推移していない。直近は日経225の推移と近い推移を示していたので、株主は様子をみたと思われる。その後1月29日に業績予想修正を公表して、株価が上昇しているので、株主は好感しているが、不適切事案の影響は織り込まれていない。
4月25日 次期中期系駅計画の策定・公表延期に関するお知らせを公表し、株価が急落している。

6、内部統制の観点から

第三者委員会からの報告は、今後公表予定とのことなので、詳細は待ちたいと思う。この時点で考えられるリスクは、①大規模リコールの発生、②受注減の二つと思われる。これは、顧客からの要求試験に関する不適切案件に共通するのではないかと思う。

株価の推移を解釈すると、業績予想修正がされた時点では、①、②のリスクが大きくないとの見方がされたのではないかと思われる。その後、4月25日の時期経営計画の発表と決算内容から、②が織り込まれ株価が急落したと思われる。

内部統制を構築する際にリスクを識別するが、製造業で顧客仕様に基づく試験体制は、要求仕様を満たさない試験が実施されないリスクの識別が必要になると思われる。ただ、これは短納期化との綱引きが生じるので、その点をどのようにバランスさせ、リスクを低減させるかが内部統制のデザインのポイントになると思われる。この点をどのように、解決していくのか第三者委員会の調査報告を待ちたいと思う。

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